この車は良い。けれど「買える」だけで買うと、後から必ず効いてくる。
クルマは「乗ってみないと分からない」と、よく言われます。
でも、僕はこう思っています。
正確には、
「所有する前段階まで体験しないと分からない」。
試乗だけでは足りない。
カタログや動画では、なおさら分からない。
僕はこれまで、
- カーシェア
- 試乗
- 仕事での使用
- 実際の所有
- 開発者
という、いくつもの立場でクルマに触れてきました。
その中で、何度も同じ結論に辿り着いています。
「これは良いクルマだ。
でも、僕は“買わない側”に回るな」
今回は、その判断が分かれた分岐点について書きます。
失敗ばかりだった頃の僕は、判断基準がまったく違っていた
正直に言います。
失敗ばかりだった頃の僕は、
ここに書くような条件がいくら揃っていたとしても、
それでも欲しいクルマは普通に買っていました。
しかも、
- 現金一括ではなく
- 貯金に余裕があるわけでもなく
- 「ローンで支払える範囲」という理由だけで
です。
当時、検討用の紙に書いていたのは、ほぼこれだけでした。
月々 2万〜3万円 (ボーナスは別途)
→ 払える
→ じゃあ、買える
総額も、将来も、
生活への影響も、ほとんど考えていません。
感情が勝った瞬間、理屈は全部後回しになる
当時の僕にとって、クルマは移動手段ではありませんでした。
- 頑張っている自分へのご褒美
- ちゃんと生きている証明
- 周りに負けていないという感覚
こうした感情の塊です。
だから、
- 使用頻度
- 維持費
- 不満が日常化したときのストレス
こうした現実的な話は、
感情が盛り上がった瞬間に全部消えました。
「まあ、何とかなるでしょ」
「好きなんだから仕方ない」
車好きなら、一度は通る思考回路だと思います。
「所有する」と、紙に書いていないお金が次々に現れる
実際に所有し始めると、
買うときの紙には書いていなかったお金が、
当たり前のように出てきます。
- 燃料代
- 駐車場代
- 自動車保険
- 自動車税
- 車検代
- 点検代
- タイヤ代
どれも一つひとつは、致命傷ではありません。
でも、これらは
ボディブローのように、確実に効いてきます。
派手じゃない。
でも、逃げ場がない。
そりゃ、お金が貯まらないわけです。
車両代が一括でも、逃げられないコストはある
よく、
「ローンじゃなくて一括なら問題ない」
という話を聞きます。
でも、車両代が一括だったとしても、
- 燃料代
- 駐車場代
- 保険
- 税金
- 整備・消耗品
これらは、所有している限り必ず払い続けるコストです。
しかも、
成果もリターンも生まないまま、
静かに・確実に効いてくる。
今見ると、本当に恐ろしい構造でした。
判断の分岐点は「払えるか」ではなかった
ここまで来て、ようやく分かりました。
僕が間違えていたのは、
払えるかどうか
ではなく、
払い続けたいかどうか
を考えていなかったことです。
だからといって、車好きをやめる必要はなかった
ここで、一つ大事なことを書いておきます。
所有をあきらめる=車好きをやめる
ではありません。
むしろ、今の僕は逆です。
「借りる」という選択で、車好きは続けられる
無理して一台を所有して、
- ローンと維持費に縛られ
- 他のクルマを羨ましがって
- 動画を見て我慢する
この状態を、僕はやめました。
代わりに選んだのが、
色々なクルマを、必要なときに借りて乗る
という付き合い方です。
- 週1回
- あるいは月に数回
- 「今日はこのクルマに乗りたい」という日だけ
これを予算化する。
この考え方に変えただけで、
資産形成の見え方が大きく変わりました。
思ったほど高くはならない「一日体験」
何でもかんでも安く借りる必要はありません。
正直、
車種によってはそれなりの金額になります。
でも、
- 車両代
- 一日分の保険代
- 一時使用のコインパーキング代
この範囲で、
一回、一日、思う存分そのクルマに乗れる
と考えると、
思ったほどの金額にはならないケースがほとんどでした。
評論は参考になる。でも「自分に合うか」は別問題
モータージャーナリストやYouTuberが、
色々なクルマを批評している動画は、今や山ほどあります。
もちろん参考にはなります。
でも、
それが自分にとってどうか?
これは、乗ってみないと分かりません。
シートの感触、視界、操作の癖、疲れ方。
こういうものは、動画では絶対に伝わらない。
今は「自分で確かめる手段」が整ってきている
完璧ではありません。
でも、
- カーシェア
- 短時間レンタル
- 車種限定のサービス
こうした選択肢は、確実に整ってきています。
「買うかどうか」を決める前に、
自分で体験して判断する。
それができる時代になりました。
僕にとっての判断の分岐点
僕にとっての分岐点は、
「買うか、買わないか」ではありませんでした。
どう付き合えば、後悔しないか。
今の僕は、
- 無理に所有しない
- でも、車好きはやめない
- 体験にお金を使う
このバランスを選んでいます。
この記事は、
「どっちが正解か」を決めるためのものではありません。
ただ、
一度立ち止まるための視点として、
この判断の分岐点を残しておきたかった。
ここで一旦、区切ります。


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