SUVは、車の中でも「リセールが強い」と言われやすいジャンルです。
実際に、ハリアーやレクサスRXのように高く売れやすい車種もありますし、
輸入車の中でも比較的底堅いモデルはあります。
ただ、僕はここでいつも少し立ち止まりたくなります。
なぜなら、車を持つときに本当に見たいのは、
「高く売れるか」だけではなく、「結局いくらお金が出ていくのか」
だと思うからです。
それに、僕自身を振り返ってみても、車を持つことそのものより、
どの車にしようか考えている時間や、買う直前のあの場面が一番楽しかった
と感じることが多くありました。
人生で最も楽しい瞬間だったと言っても過言ではありません。
一方で、所有していた頃の僕は、ずっとこう思っていました。
なぜこんなにお金が貯まらないんだろう。こんなに働いているのに。
それを何年も繰り返して、一度すべてを失い、
車を所有することから離れたときに、ようやく気づきました。
そりゃ貯まらんよ、お金ないよ。 と。
いざ持ち始めると、
駐車場代、燃料代、保険、税金、車検、整備費など、
現実のコストが少しずつ積み上がっていきます。
こうした費用までまとめて見ると、リセールが良いSUVでも、
決してラクな買い物ではありません。
この記事では、
ハリアー、CX-5、フォレスター、エクストレイル、レクサスRX、ベンツGLC
の6台をもとに、
5年保有した場合に必要になるコスト
をできるだけ見える化してみます。
「SUVは高く売れるから実質安い」と感じている方こそ、
一度だけ、数字で冷静に見てみる材料になればうれしいです。
SUVはリセールが良ければ本当に得なのか

SUVはよく、「高く売れやすいから損しにくい」 と言われます。
実際、人気が安定している車種や、中古市場でも需要が落ちにくい車種はありますし、
セダンや一部の不人気車に比べると、売るときの価格が残りやすいのも事実だと思います。
だからこそ、車選びの中でリセール率が重視されるのは自然なことです。
買う前から「数年後にいくらで売れそうか」を考えておけば、大きく失敗しにくい。
この考え方自体は、僕も間違っていないと思っています。
ただ、ここでひとつ気をつけたいことがあります。
それは、
リセールが良いことと、お金がかからないことは同じではない
ということです。
たとえば、買ったときの価格が高ければ、たとえ高く売れても、
消える金額そのものは大きくなりやすいです。
さらに、車は持っているだけでお金が出ていきます。
駐車場代、燃料代、任意保険、自動車税、車検、整備費、タイヤ代。
こうした費用は、売るときの価格とは別で、じわじわと家計に効いてきます。
しかも、リセールを意識し始めると、別の不自由さも出てきます。
走行距離を増やしすぎないように気を遣ったり、
傷をつけないように過剰に神経質になったり、
本当は欲しい色や仕様ではなく「売りやすい方」を選んでしまったり。
それは確かに合理的かもしれませんが、
カーライフそのものを少し窮屈にしてしまうこともあります。
僕はこのあたりを、自分でもかなり見落としていました。
「高く売れるなら、きっと得なんだろう」と思っていた時期もありましたし、
実際に所有していた頃は、毎月かなり働いているはずなのに、
なぜかお金が思うように残りませんでした。
でも今振り返ると、それも当然だったと思います。
車両価格だけではなく、保有中に出ていくお金まで含めれば、
車は思っている以上に固定費のかたまりだからです。
しかもSUVは、人気がある分だけ本体価格も上がりやすく、
装備やタイヤサイズによって維持費も重くなりやすいジャンルです。
だからこの記事では、
「どのSUVが一番リセールが良いか」 を競うことよりも、
「リセールまで含めても、結局いくら必要になるのか」
を見える化したいと思っています。
高く売れるかどうかは大事です。
ただ、それだけで「得」と判断してしまうと、
あとで見落としに気づくことがあります。
まずはそこを、人気SUV6台を並べながら、できるだけ冷静に見ていきます。
今回比較する6台と計算条件
今回は、次の6台を比較対象にしました。
- ハリアー G ハイブリッド 2WD
- CX-5 XD Black Selection 4WD
- フォレスター X-BREAK S:HEV EX
- エクストレイル G e-4ORCE
- レクサスRX RX350h version L
- ベンツGLC GLC 220 d 4MATIC
今回は国産SUVだけでなく、あえてRXとGLCも入れています。
実際の車選びでは、同価格帯だけでなく少し上のクラスまで比較が広がることが多いからです。
今回の試算条件は、次の通りです。
- 保有年数:5年
- 年間走行距離:8,000km
- 総走行距離:40,000km
- 駐車場代:月15,000円
- 燃料代:比較用の固定単価で試算
- 任意保険:車格ごとの概算で試算
- 自動車税:採用グレードの排気量ベースで設定
- 車検・法定費用:5年保有で1回分を計上
- 整備費:法定点検、オイル交換、軽整備を含む想定
- タイヤ代:5年で1回交換を想定
- 想定売却額:5年落ち中古車相場を参考に試算
実際の保険料や整備費、売却額は、
年齢や等級、地域、車の状態、売るタイミングによって変わります。
そのためこの記事では、
将来の正確な査定額を当てること ではなく、
リセールまで含めた必要コストの全体感を見ること を目的にしています。
まずは、今回比較する6台の前提条件を整理します。
同じSUVでも、価格帯や燃料、想定リセールにはかなり差があります。
| 車種 | 採用グレード | 新車価格 | 燃料種類 | 排気量 | 5年後想定リセール率 | 5年後想定売却額 | ひと言メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ハリアー | G ハイブリッド 2WD | 約430万円 | レギュラー(HV) | 2.5L | 60.5% | 約260万円 | 国産人気SUVの基準 |
| CX-5 | XD Black Selection 4WD | 約346万円 | 軽油 | 2.2L | 54.9% | 約180万円 | ディーゼルSUVの定番 |
| フォレスター | X-BREAK S:HEV EX | 約448万円 | レギュラー(HV) | 2.5L | 55.8% | 約250万円 | 実用派4WDの代表 |
| エクストレイル | G e-4ORCE | 約495万円 | レギュラー(HV) | 1.5L | 44.4% | 約220万円 | 電動4WDの中核 |
| RX | RX350h version L | 約760万円 | ハイオク(HV) | 2.5L | 60.5% | 約460万円 | 国産高級SUVの代表 |
| GLC | GLC 220 d 4MATIC | 約827万円 | 軽油 | 2.0L | 43.6% | 約360万円 | 輸入プレミアムの定番 |
SUVのリセール率を車種別に並べるとどう見えるか
SUVは全体として見ると、比較的リセールが強いジャンルだと思います。
実際、人気が落ちにくい車種や、中古市場でも需要が続きやすい車種は、
数年後の売却額も残りやすい傾向があります。
ただ、同じSUVでも中身はかなり違います。
ハリアーやRXのように国内での人気が安定している車は有利に見えやすい一方で、
GLCのような輸入SUVは国産車とは違う値動き方をすることがあります。
CX-5、フォレスター、エクストレイルのような実用系SUVも、
装備や駆動方式、年式ごとの人気で残り方に差が出ます。
つまり、ここで見たいのは
「どの車が高く売れそうか」 だけではなく、
「どのくらいの価格で買って、何がどの程度残りそうか」 です。
同じ60%のリセール率でも、もとの購入額が違えば実際に消える金額は変わります。
しかも、売るまでのあいだには駐車場代や燃料代、保険、税金、整備費といった
コストも積み上がっていきます。
だから、リセール率の比較は大事ですが、ここではそれをゴールにはしません。
むしろこれは、次に見る必要コスト全体の入口です。
維持費まで入れて計算すると、必要コストはこうなる
| 車種 | 購入総額 | 想定売却額 | 値下がり額 | 維持費合計 | 5年総必要コスト | 月あたりコスト |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ハリアー | 約455万円 | 約260万円 | 約195万円 | 約241万円 | 約436万円 | 約7.3万円 |
| CX-5 | 約371万円 | 約180万円 | 約181万円 | 約242万円 | 約423万円 | 約7.1万円 |
| フォレスター | 約473万円 | 約250万円 | 約223万円 | 約252万円 | 約475万円 | 約7.9万円 |
| エクストレイル | 約520万円 | 約220万円 | 約300万円 | 約244万円 | 約544万円 | 約9.1万円 |
| RX | 約790万円 | 約460万円 | 約330万円 | 約268万円 | 約598万円 | 約10万円 |
| GLC | 約862万円 | 約360万円 | 約502万円 | 約283万円 | 約785万円 | 約13万円 |
表を見てまず感じるのは、
リセールが良いことと、必要コストが軽いことは別 だということです。
たとえば、ハリアーとRXはどちらもリセールが強い側ですが、
5年総必要コストにはしっかり差が出ました。
RXは高く売れやすくても、購入価格や維持費まで含めると、やはり重くなります。
逆に、今回の6台で総必要コストがもっとも軽かったのはCX-5でした。
ハリアーはリセールの強さでかなり粘りますが、
それでも「高く売れるから安く済む」とまでは言い切れません。
エクストレイルは、税額は比較的軽い一方で、
値下がり額が効いて総必要コストは一段上がりました。
GLCはさらに重く、輸入プレミアムSUVらしい世界が数字にもそのまま出ています。
こうして並べてみると、
リセールは大事でも、それだけではカーライフ全体のお金は決まらない
ということがよく分かります。
買う時の価格、売る時に残る金額、その間に積み上がる維持費。
この3つをまとめて見て初めて、
その車を持つのに実際どれくらいお金が必要か が見えてきます。
リセールが良いSUVでも“我慢する所有”になることがある
リセールが良い車を選ぶこと自体は、悪いことではないと思います。
実際、数年後の売却額を意識して車を選べば、大きく外しにくくなるのはたしかです。
ただ、その考え方が強くなりすぎると、
車を持つ時間そのものが少し窮屈になることがあります。
たとえば、走行距離を増やしすぎないように気を遣ったり、
傷や汚れを必要以上に気にしたり、
本当は好きな色や仕様ではなく「売りやすい方」を選んでしまったり。
それは合理的ではありますが、
楽しむための車が、守るための車に変わってしまう 感覚にもつながります。
しかも、リセールを意識して選んだとしても、維持費そのものが軽くなるわけではありません。
駐車場代、保険、税金、整備費は、乗っていても乗っていなくても積み上がっていきます。
そう考えると、
高く売れそうだからそれを選ぶ という考え方だけでは、
思ったほどの楽しいカーライフにはならないことがあります。
僕が今、所有よりも「必要な時に楽しむ」方に気持ちが向いているのも、
この感覚から来ているのです。
数字の面でも、気持ちの面でも、持つことには思った以上に重さがある。
だからこそ、いったん立ち止まって考える価値はあると思っています。
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同じく人気の高いアルファードの場合も、他人気ミニバンとともに比較しまとめました。
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だから僕は、持たずに必要な時だけ楽しむ方へ動いた
ここまで数字を並べてみると、僕はやっぱり、
持たずに必要な時だけ借りて楽しむ方が、自分には合っている と感じます。
理由はシンプルです。
所有をやめると、さっきの表に出てきたコストの多くが、ほとんどゼロに近くなるからです。
駐車場代、保険、税金、車検、整備費、タイヤ代。
車を持っているだけで積み上がるお金がなくなれば、
基本的には使った分だけ払う形に近づきます。
そうなると、お金の重さも気持ちの重さもかなり変わります。
僕は昔、こういう所有コストの重さを抱えたまま、無理して働き続けていました。
でも今振り返ると、かなり無理をしていたと思います。
重い所有コストのために働いて、さらに無理を重ねて、
結局一度すべてを失いました。
そこでようやく気づきました。
自分が本当に欲しかったのは、車を持っている状態そのものではなく、
楽しく車と関われる時間 だったんだと。
だったら、重い固定費を抱え続けるより、
軽い出費でも楽しめるライフスタイルを作る方がいい。
必要な時だけ借りて、その時に乗りたい車を楽しむ方が、
結果的にずっと気楽で、ずっと楽しい。
僕はそう考えるようになって、そっちに動きました。
もちろん、毎日使う人や、
生活の前提として車が必要な人には所有が合うこともあります。
でも、そこまで使わない人や、いろいろな車を楽しみたい人なら、
最初から所有だけで考えない というのは、かなり現実的な選択肢だと思います。
しかも、この考え方は特別な人だけのものではありません。
知らないまま重いコストを抱え続けるより、
「持たずに楽しむ」という選択肢を知ったうえで、自分に合う方を選ぶ。
それだけでも、カーライフの見え方はかなり変わるはずです。
僕は、それを知らずに過ごすのはもったいないと思っています。
SUVのリセール率を見ること自体は悪くないと思います。
ただ、その先にある必要コストまで見ておくと、持ち方の選択肢はかなり変わります。
僕はそこまで見たうえで、「持たずに楽しむ」方へ動きました。
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SUVを持つ前に、まずは「必要な時だけ借りる」選択肢を見ておくと、
カーライフの考え方はかなり変わります。
僕自身は、所有コストを抱えるよりも、使いたい時だけ選んで楽しめる方が合っていました。
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